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AF-S NIKKOR 28-70mm f/2.8

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AF-S NIKKOR 28-70mm f/2.8

AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8Gってどんなレンズ?

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Nikonには大三元レンズと呼ばれるF2.8通しの3本のレンズ(14-24mm,24-70mm,70-200mm)があり、麻雀の役になぞらえて『大三元』と呼ばれているそう。

私が持っているのはVR(手ブレ補正)がついていないモデルなのですが、VR付きの新型が出ています。

私があえてVR無しを選んだのは、夜景を撮る時は三脚を使うこと、手ブレ補正が付くことによって重さがさらに100g近く重くなること、そしてお値段が5万以上高いという3点からVR無しを選びました。

新型では手ブレ補正だけでなくオートフォーカスの性能や、旧型で一部指摘されていた描写における問題も解決されていたりするようでちょっと気になるのですが、旧型でもなんら問題なく写真を楽しめています。

24mmから70mmという標準域を全てF2.8始まりでカバーできるという化け物のようなレンズが凄いのはまずお値段、ズームレンズとは思えない描写力、そして『標準』レンズとは思えないその重さ(900g)でした。

軽いレンズを複数持ち歩くか、重いレンズ1本を持ち歩くか

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D5500時代に単焦点レンズで撮ることの楽しさに目覚め、そこから一気に写真にのめり込んだ私。やっぱりズームレンズの描写が甘く感じられてしまって、どうしても単焦点メインでレンズを組みたくなる。フルサイズに移行した後も、当然今まで通り単焦点メインで撮り歩くつもりをしていました。

ただ私の場合、35mm換算で30-35mmが一番好みの焦点距離とはいえ、標準である50mmも欠かせませんし、時には超広角や望遠が必要になることもある。

置いていったレンズに限ってその場で必要になる…ということもよくあるので、結局気付けばカメラバッグには常に4,5本ほど入っている状態。

また、私は車を持っていないので徒歩移動が多く、またディズニーや旅先などひたすらに練り歩いて撮ることが多い私にとって、荷物の数が多いのはちょっと煩わしかったんですね。

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私が単焦点を好きな理由には、ボケの楽しさや足を動かして構図を取ることだけでなく、フットワークの軽さがありました。

モノにもよりますが、私が持っていた・または気になっていた単焦点レンズは1本およそ300-450gくらいでどれも軽い。けれど、それが3,4,5本と増えると1kgは優に超え、軽いフットワークが叶わなくなってしまう。

そう考えると『どこでも多くのレンズを持ち歩く』という今の私の撮り方は、自分の理想とするスタイルではないのでは?と思い始めました。

私を『レンズ沼』から少し脱出させてくれる、それが大三元レンズだった

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そこに一度ハマってしまうと『レンズが欲しいよう欲しいよう』しか話せなくなり、レンズのことしか考えられなくなるという、日本のどこかにあるらしいと語り継がれる伝説の沼、それがレンズ沼

単焦点レンズにハマっている時、確かに足を動かせばさまざまな焦点距離をその1本でカバーできるんですが、どうしても色んな焦点距離ごとにレンズが欲しくなってしまう

フルサイズ用のレンズとなると値段もどんどん高くなりますし、私自身どんどん目が肥えるのでどんどん性能もそしてお値段も高いレンズが欲しくなり、沼にズブズブズブ…。

単焦点の沼に入るのももちろん楽しいし、レンズ選びもとっても楽しい。一眼レフの醍醐味ともいえますし、ほんとお店やネットで見てるだけでも楽しいんですよね。

けれど、むやみやたらにレンズに手を出すのは違うかなと思いますし、1本を長く使い倒してこそ機材の良さを活かせるようになるとも思う。

私が写真という趣味でしたいことは『良い写真』を撮ることなので、すぐ新しいレンズに目移りしてしまう今の状態は、自分がしたい・撮りたい写真と撮影スタイルと少し離れてしまっているかも。そう気付き始めたんですね。

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それならよく使う焦点距離をカバーでき、かつ描写にも妥協しない良いズームレンズを1本買えば、いつもは「この焦点距離もあったら良さそう」くらいのイメージで手を出しているけれど、ズームを使っていくうちに自分が実際どの焦点距離がよく使うのかはっきりわかる。

それを踏まえて自分に真に必要な焦点距離、そして必要な単焦点レンズを選ぶ方が効率も良いし、なによりも無駄にレンズに手を出さなくて済む。ということは写真に集中できる。

そんな考えから、本格的に大三元レンズに気持ちが傾き始めました。

いつの間にか抱いていた『ズームレンズへの偏見』

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写真に慣れてくるとついつい頭でっかちに『単焦点レンズは画質が良い、高倍率ズームは画質が悪い』と考えてしまう。そんな単焦点至上主義なカメラ初心者さん、私以外にもいませんか。

確かに単焦点はズームという機能をそぎ落とした分、画質にこだわっているので間違いではないと思うのですが、私の場合単焦点にこだわり過ぎてシャッターチャンスを逃すことが多々あったんです。

多少画質が劣ったとしても、撮れないより撮れた方が絶対に良い。レンズに頭でっかちになる写真を一度やめた方が、今よりも写真を純粋に楽しめる気がしたんですね。

重さ・画質・便利さ。どれを我慢する?

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結局私が行き着いた最後の選択肢はこれでした。妥協するポイントと、妥協しないポイントを明確にしようと思ったんですね。

写真にこだわりたいからフルサイズを買ったということ、フルサイズではもっともっと写真をどん欲に撮っていきたいと思っていたんです。そう考えると写りは絶対に妥協したくない。そして、シャッターチャンスを逃さないためには便利さも妥協してはならない。

これらを比べて考えて辿りついた結論が、重さを我慢すること。我慢すると言っても持ってる人は大勢いるのだから、私にだって持ち運べるんじゃないの?と考え、そして手にしたのがAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDだったのでした。

AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDは持つ人に『撮れないものはない』と思わせてくれるレンズ!

買うまでの経緯について長く書きすぎましたが、そろそろこのレンズの使い心地とその魅力を私が実際に撮った作例を交えて、私なりの言葉で書いていきたいと思います。

撮ることを楽しくする爆速のオートフォーカス

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まずどの方もレビューにも書いておられることですが、もう本当にオートフォーカスが爆速

カメラを向ける前から私の頭の中のイメージを読んでるんじゃないかと思うくらい速い。これに慣れるとほかのレンズのオートフォーカスが、普通のはずなのにちょっと遅く感じちゃうくらいには速い。

静かにスッと、そして確実に合わせてくれるので、本当にストレスフリーで撮影できますし写真が本当に楽しくなります。

ふわふわとしっかりボケる!

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私がカメラライフを楽しむ上で大切な要素であるボケの表現。やっぱりボケは私の中での一眼レフの原点です。

いくら大三元と言えども、ズームレンズでしっかりボケるのかなぁと若干不安だったのですが、しっかりとふわふわボケてくれました

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明るいレンズは背景をボカすためだけじゃないとはいえども、でもやっぱり明るいレンズは開放で使いたくなるじゃないですか。ズームレンズでここまでボケてくれたらもう大満足ですよ奥さん。

よく『撮るものが女子大生っぽくない』と言われるのですが、これなら女子らしい1枚が撮れる!やったね!(笑)

24mmから70mmという幅が使いやすい

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D5500で使っていた標準ズームが18-55mmであり、35mm換算で27-82.5mmをカバーできるレンズだったのですが、27mmだと少し広角としては足りなくて、どうしてももう1本聴覚ズーム(TAMRON 10-24mm)を持ち歩く必要があったんですね。

買う前は『便利ズームとはいえ、なんだかんだいずれは超広角ズームも買い足すことになるかな』なんて思っていたのですが、予想以上にこの24mmはじまりが使いやすい!

24mmっていうと広すぎず、でも広角らしさもしっかりある。そんな感じです。

勿論超広角ズームがあるに越したことはないのですが、フルサイズ用の超広角レンズは重たいものが多いので、行く場所や撮るシチュエーションによってはできるだけ少ないレンズで歩きたい・歩けない時もある。

たとえ1本しか使えなくても撮りたいものをしっかり撮ってくれる、使う人に『撮れないものはない!』と思わせてくれるレンズだと感じます。

24mmから70mmまでの単焦点レンズが1本に詰まっているかのような感覚・安心感

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『24mmから70mmまでの単焦点レンズが1本に詰まっている』はさすがに言い過ぎかもしれませんし、当然単焦点レンズの方が描写力もろもろは優れているのだと思いますが、でもそのくらいの安心感のある描写力

写りに妥協しないためにこのレンズを選びましたが、妥協が一点も見られない。そんなレンズだなと思います。重さがネックでなかなか購入を躊躇っていた私ですが、実際に持ってこれを使って撮ってみて『そりゃこれだけの性能を抱えてたら重くもなるよなぁ』と納得しました(笑)

この1本に自分の撮りたいものを撮るために必要なことが全部詰まっている。そんな安心感と信頼感を抱けるレンズだなと思います。

ただやっぱりこの重さと大きさは持つ人を選ぶ

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もうこれはしょうがないことですが、やっぱりこのレンズは重たいですし、大きい。この性能があると思えば軽いもんですよ!みたいなことも言えない。重い。

他の方のレンズレビューを拝見していても『日頃持ち歩くのには向いてない』のような声が見かけられますし、実際気軽に持ち歩けるかと聞かれれば即答はできません。

私自身女なので、見た目のゴツさがますます際立つように思うのですが、重さに関してはストラップを長めにして、首からではなく肩から斜めがけするようにして解決できています(実際体感の重さはだいぶ変わります)

また『バッテリーグリップを着けると、D750の軽量ボディとレンズの重さのバランスの悪さが改善される』というアドバイスもいただいたので、余裕が出たら試してみたいなと思っています。

迷ったけれど心から買ってよかったと思うレンズ

爆速のオートフォーカス、信頼の高画質、安心のボケ。このレンズを持ってから写真が本当に楽しくなりました

私が持つイメージ以上のものを写してくれることもあるので、撮る写真のクオリティだけでなく、好みや趣向も前とちょっと変わった気がします。前までは派手な写真が好きだったのですが、このレンズを持ってからシンプルな写真に惹かれるようになってたり。

大三元レンズは自分に必要なものは何か教えてくれるレンズだった

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上に述べたような単焦点レンズの沼にのめり込むこと、シャッターチャンスにもっと食らいつきたいと思ったことなどを総合的に考えて辿りついた24-70mm f/2.8Gというレンズ。

これを買う時、『大三元レンズ』というひとつのブランドのようなものに対する『ハードルが高いイメージ』や『上級者が使うものというイメージ』が離れず、まだ1年と少ししか写真を始めていない私が持つべきなのか真剣に迷っていました。

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ただ、24mmから70mmまでの単焦点レンズが1本に詰まっているようなクオリティ、そしてよく使う標準域の焦点距離の幅を一度に全て与えてくれたおかげで、自分が本当に必要な焦点距離が何なのか、自分が写真を楽しく続ける上で大事なことは何なのか気付くことができた気がするんです。

そして、私の場合分かったことは、私が写真を楽しく続ける上で大事なのは『考えすぎず、肩の力を抜いて撮ること』ということでした。

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単焦点レンズは今でも大好きなのですが、今思うとちょっとこだわりすぎだったなと思います。

その場所でその場所に合うレンズを選んで、自分の足を動かしてじっくり構図を考えるのも好きなんだけれど、私にはもっと楽に直感でその風景を切り取るのも案外向いていたようです。

お値段や重さを考えると『自分の写真に必要なものを見つけられるから!オススメ!』と軽く勧められるレンズではないですが、迷っている方がいたら『自分と自分の写真に、良い変化と良い発見を与えてくれるレンズ』として、その背中を押したいなと思う1本です。

最後に

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写真を始めて1年と少しが経ち、今年春からD750と新たなスタートを切った私にとって欠かせないパートナーであるAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

ここまで書いてきたように、私もこの1本に決めるまで本当にあれこれ迷いましたし、今まさに迷っています!という方もいらっしゃると思うんです。なんせこのお値段ですし(´・ω・)

だからそんな人の後押しになればいいなと思い、迷った末に買うことに決めた一人の体験談を記しておこうと筆を取り始めたのがこの記事というわけです。

余談ですが、他人のレンズ選びって結構気になりませんか。どうして・どんな経緯でそのレンズを選んだのか、そのプロセスって結構刺激になったりしませんか。

私のこの記事は書き方も下手なので刺激になるほどのものではありませんが、レンズ選びに行き詰った時に他人のレンズ選びを知ると、新しい観点からレンズを見つめなおすことができるということを、今回の24-70mmを選ぶ際に感じました。だから今度は私が書く番!と思ったんですね。

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良いレンズは写真を変えるだけでなく、その写真を撮る人自身の気持ち、モチベーションも変えてくれるものだと思います。

そして『良いレンズ』とは単に『性能が高いレンズ』という意味ではなく、『その人に総合的に合っている』レンズだとも思います。今の私にはこのAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDが間違いなく『良いレンズ』です。

この記事をここまで読んでくださった方が良いレンズに巡り合えますように!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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